67、ご近所と仲良くしていることも不動産の価値が上がる大きな要素です。(仲が悪いと承諾書、境界の立ち会いなどの署名、捺印が貰えない)

「ご近所の方と仲良いですか?」
売主さんとお話しするときに確実に聞くことの一つです。

色んなケース見てきましたし、売却の仲介してきましたが
「ご近所と仲良くしていることも不動産の価値が上がる大きな要素だな・・・」
と思います。
凄い仲良くなくてもいいんです笑。
普通に挨拶できるような関係で問題ありません。

もちろん理由があります。
主に
「前面道路が私道」
の土地の売却のケースなんですが、その場合は前面道路の私道の持ち分持ってる方のほとんどがご近所です。
「土地を売却する」
という事は
「この後買主が建物を建てる」
ということがほとんどになります。

買主からすると建築できないとその土地はなんの価値もありません。
「建築する=誰かが住む=ガス、水道使える」
という意味もあります。
ガス、水道使えない家には住みたくありませんしね笑。

水道やガスは
「私道の下部分に配管がある」
んです。
そうすると水道会社、ガス会社は新しい家に水道、ガスを引く場合
「私道の所有者に対して、工事していいか?」
という確認を取らなくてはいけなくなります。

これを
「承諾書」
と言うんですが、買主の引き渡しの条件の中で
「ガス、水道の掘削の承諾書」
と求められることがかなりあります。
わかりやすく言うと
「道路に穴掘るので、その私道全員の所有者の承諾書くれ」
という意味です。

これが結構大変なんです。
合わせて書きますが
「確定測量図」
を取得するときも同じです。
両方とも私道の所有者全員から承諾書を貰わないといけないんです。

ほとんどの方は普通に署名してくれます。
見つからない所有者、遠方の所有者などの場合は土地家屋調査士が必死に探し出します。
(土地家屋調査士は少し探偵みたいな仕事なんですよね笑)
全員分そろえば、次の買主は問題なく家建築できますし、ガス、水道も使えます。

問題は
「隣地、近所の私道の持ち分持ってる方と超仲悪い」
というケースです。

不動産業長くやってると時々そういうのを見ます。
「私道があって、手前の家が道路部分に多くの花壇を置いて奥の住んでる人たちの通行を通りにくくしている」
とかですね。
「よほど大きなうらみがあるのか、それか変わってる人なんだろうな・・・」
と思いました。
こういう場合は私道の承諾書貰えないと思います。
(売れないことはないですが、かなり安くなる可能性が高いです)

色んなケースありますが、正直
「運」
です。
承諾書を貰うようなケースの時は、
「運」
しかないかな・・・と本気で思います。

長年仲悪い方たちを不動産屋が仲良くさせることは出来ないんですね。
離婚関連の売却もそうですが、当事者以外にどうしようもない問題ってあります。
こういう感情がこじれまくった結果
「とても安い不動産」
というのが出てくるんです。
もうその選択肢しかなくなった時にそうなります。
悲しいことですけどね・・・

出来る限りですが、ご近所とは良いお付き合いしてくださいませ。
今回のようなケースで、ご近所の方が普通に協力してくれると不動産の価値は上がります。
こういう
「人間の感情部分」
があるので、不動産の査定って難しいんです。
参考にしてください。

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