土地を分筆、贈与して隣地との越境をなくす
2016年9月19日
本日土地の贈与に立ち会いました。
私が主導して行ったのですが、無事に円満に双方納得して贈与が行われ一安心です。
お客様から売却の依頼を5月に頂いて、9月も終わろうとしていますが、
いまだに販売さえ行っておりません。
このHPで
「隠す」
という言葉をよく使いますが、そんなレベルじゃないぐらい隠してます笑。
何しろ
「土地が欲しい」
というお客さんがいても
「今は紹介できる土地はありません」
と言ってしまうくらいなのでね。
まあ、もちろん理由はありますし、売主さんにもちゃんと定期的に報告して
ご了承を頂いております。
今回の土地は1000㎡(約330坪)を上回る大きな土地です。
(開発行為が必要です)
相続で取得された土地なので、どうしても売主さんは土地の詳細な内容について詳しくありません。
その上、大きい土地の場合は個人の方が望むような30坪、40坪の土地の売却方法と同じようにはいかないんです。
売却の依頼を頂き調査をしたり、この土地を購入する可能性がある購入者のイメージを
描いたりしました。
大まかな内容を書くと
・市街化区域だが地目が「畑」で農地転用(5条)が必要になる。
・敷地内に電信柱が2本ある
・農電を使用されている
・過去に測量をしていないので再度測量をすると土地の面積が変わる可能性が高い
・別の居宅で使用している電線が敷地内の頭上を通過している
・隣地2か所から大きな木の枝が敷地内を越境している
・隣地のブロックに飾りがついていて敷地内に越境している
・敷地内に小屋があり、井戸もある(お祓いが必要な可能性大)
・前面道路の公道との境界が不明、前面道路の幅員も不明
・土地が500㎡以上あるので、次の購入者が建築物を建築する際には「開発許可」が必要
・本物件から幹線道路(大きな道路)まで4メートルの幅員があるかがわからない。
ない場合だと小さい家しか建てなくなる可能性がある
・水道の受益者負担金の確認や、上下水の配管の確認
・前面道路に都市ガスが来ているか?または引込出来るかの確認
調査すると以上のような内容が出てきます。
(他にも不動産調査をしていますが、書ききれないので重要な所のみです)
そして
・隣地の方のブロックが傾いている。補修をお願いしたが、補修をすると盛土に
なっているため、隣地の方の不動産の30センチ近くまで掘らなくてはいけない、
古い建物なので傾く可能性が否定できない。
といういきづまった結果にもなりました。
時間はかかりましたし、ちゃんと双方の方に説明して、落としどころとして
「隣地の方に分筆して土地を贈与する。分筆、登記費用は隣地の方の支払い」
というゴールに辿り着きました。
いや~~~~大変でした笑。
無事に笑顔でお互いが納得して贈与が終わった時は嬉しかったです。
贈与なので仲介はしておりません。
なのでただ働きです笑。
ですが、これをすることで土地の価値が大きく変わります。
「隣地と揉めていない問題ない土地」
にすることで価値が上がるんです。
その他にも上記に書いた様々な問題を一つ一つクリアしていったら5か月かかっておりました笑。
これでも最速の動きなんですけどね。
売主さんご一家が皆さん理解して頂けているので、私も頑張れることが出来ます。
もう少しでやっと販売できそうです。
土地の話をする時によく言うんですが
「汚い土地から綺麗な土地にして価値を上げましょう」
と言います。
土地が汚れてるとかではなく、不動産取引、法令に対して問題がある土地を自分は
「汚い土地」
と言います。
購入者の立場で考えて見て下さい。
「境界もわからない、越境もしている、土地の面積も合ってるかわからない。
この土地を高く買ってほしい」
と売主から言われたらどう思いますか?
ほとんどの方は
「いらない」
または
「すごい安くしてくれ」
と足元見られるんです。
逆に
「綺麗な土地」
の場合は
「測量もしており、境界も、隣地との承諾書も取得して問題ありません。
家も建ちますし、引き渡し後もトラブルの可能性がほぼない土地です。
売り側としては購入者の為にやれることは全部しました」
という場合だと、購入者には安心感と購入意欲、そして不動産業者なども買い取る事が出来る土台に乗ってくるんです。
そうするとオークションの様に多くの購入希望者に見てもらい、1番良い条件で買ってくれる買主を見つけることが出来ます。
売主さんによって状況が違うのは理解しておりますが、時間やお金に余裕がある場合は
先に
「綺麗な土地」
にするのも一つの手です。
参考にして下さい。
※やっと販売活動できそうです。
広い土地なので個人相手ではなく、建売業者へ販売活動します。
10社近く相見積もり取る予定です。
条件良い所見つけるよう努力します。
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