75、土地の価値を高くする方法(正攻法で「綺麗な土地」に)

土地の売却の相談を受ける中で
「なにか売却する前に出来る事ありますか?」
とよく聞かれることがあります。
「可能なら土地を綺麗にしておいた方が高く売れる可能性は高くなりますよ」
が私の答えです。
せっかくなのでちゃんとその理由を書いていきたいと思います。

まず思って頂きたいのは
「不動産業界はうさんくさい」
という事実です笑。
現在2018年夏ですが、スルガ銀行の問題や、シェアハウス問題、それに伴う銀行、不動産会社への訴訟、他にも少し前に起きた
「積水ハウスの土地取引を巡る詐欺被害」
の問題が現在株主から訴訟される問題になっています。

関係のない人からすれば
「不動産業界は怪しいし胡散臭いな」
とか
「大変だな」
の一言で終わりますし、自分の生活には一切関係ありません。
ただ自分が土地を売る場合は自分自身が
「売主」
になります。
引き渡しが終わって、買主が
「話がちがうじゃねえか!」
と怒ってしまった場合に、訴えられる対象にもなってしまいます。

当たり前の話ですが、売主さんも我々不動産会社も訴えられたくはありませんし、問題も起こしたくないです。
ただ不動産の場合は超高額な金額であり、専門用語が独特で難しい業界です。
トラブルは個人レベルの商取引としては1番おこりやすい業界だと思います。

そのような事実を踏まえた上で、今回のテーマは
「土地の価値を高くする方法」
です。
正攻法、と書いたのは一切のインチキも使いませんし、全て法律にのっとった誠実な対応方法です。

売却する上で1番大事なのはなんでしょう?
1番大事なのは
「買主の立場、意向を考える」
になります。
買主が欲しいと思わなければ、不動産は売れません。
そして不動産を購入する買主は高額物件なので非常に不安なんですね。
なので
「不安を出来るだけ少なくしてあげる」
事が購入意欲を大きく上げます。

私が最初に
「綺麗な土地」
と書きました。
これは私が勝手に作ってる土地の説明用語なのですが笑、
「綺麗な土地=権利関係が問題ない土地」
「汚い土地=権利関係に問題がある土地」
と言う風にわけています。
綺麗な土地の場合は購入者からすると購入後も安心です。
汚い土地の場合は購入者からすると買った後も不安です。
どちらが選ばれるかと言うと綺麗な土地の方なんですね・・・
例を出しながら書いていこうと思います。

まず不動産の土地をなんでもよいので思い浮かべて下さい。
その土地には
「隣地の家」

「前面道路」
があるはずです。
ここで質問です。
「隣地と道路の境界は100%合っていますか?」
感覚的な物ですが、多くの土地が隣地や前面道路との境界がはっきりしていないことが多いです。
「たぶんこの辺だと思う」
という答えになる方は多いと思います。
その上で売却したとしましょう。
新しい所有者が隣地の方にあいさつに行きました。
そして隣地の方から
「ここまでが自分の敷地だから入ってこないで」
と言われます。
引渡し前に不動産屋や売主から説明受けた場所とは話が違いました。
そして買主から文句が来ます。
「ならば買わなかった、どうしてくれるんだ!」
と・・・

こういうトラブルはよくあるんです。
これは私が先程書いた
「汚い土地」
だからおきてしまったケースです。
根拠となる証拠がないんですね。
公的に証明するものがないので、権利関係が曖昧です。

そして今の時代はネットが発達しました。
今の時代の買主はよ~~~く調べます。
そして質問してくるんです。
納得いかなければその土地は買いません。
買う可能性があるのはかなり安くなった時だけです。

じゃあどうすればいいのか?と言うと、
「権利関係を綺麗にしましょう、売却する前に」
というのが私の答えです。
というよりは、不動産屋が土地を仕入れる時の当然の条件、考え方なんです。

やり方としては
・土地の実測の測量をする
(隣地との境界をはっきりさせる)
・前面道路の権利関係を確認する
(公道なら問題ないですが、私道の場合は私道の持ち分の所有者との確認が必要になってきたりします)
隣地とのブロックが自分の物なのか、隣地の物なのか、共有なのか確認する
(測量をした結果ずれることもよくあります)
隣地から出てる植栽を切ってもらうようにお願いする
(契約書上で「隣地からの植栽の越境あり」と書かなくてはいけなくなります、この文言入る事で買主が買わなくなる可能性もあります)
・家を解体して更地にする場合は滅失登記が必要
(建物の権利が登記簿上で残っているので、なくす登記が必要です)

他にも
電線の位置の移動
・電柱の位置の移動
・井戸がある場合はお祓いが必要
など土地によって色んなケースがあります。

1番覚えておいた方がいいのはやはり
「実測測量図(確定測量図)の作成」
ですね。
これをすると前面の道路との位置関係や、隣地との公的な境界の証明になります。
新しい所有者からすると安心できる材料が一気に増えるんです。
すると高く売れる可能性があります。

今回書いた内容は土地の価値を高くする王道の方法です。
不動産業者が土地を買って、土地を分譲する時はこのように権利関係を綺麗にして売っています。
時間も手間もかかります。
そのかわり1番高く売れる可能性が高いんですね。

この方法のデメリットは、先ほども書きましたが
「時間とお金」
がかかるんです。
実測の測量図を土地家屋調査士に依頼すると平均して30万から50万かかります。
(ケースによっては安くもなりますし、私道などがあるともっと高くなります)
時間も数か月かかるんです。
それでも売却するまでに時間に余裕があって、お金を出せる方がいたらこの方法をお勧めします。

とはいっても売却に時間かけられない方がいるのも、お金に余裕がない方がいらっしゃるのもよくあることです。
そういう方の場合は
「申し込みが来てから交渉する」
という方法が良いと思います。
当社はよくやっております。
売主さんにとって良い条件になるようにいつも頑張ってます。

今回の方法は土地を売却する前に少し考えてみて下さい。
売却する、ということは
「買主に買ってもらう」
ということです。
買主に買ってもらう、ということは
「買主の立場を考える」
ということが大事です。

世の中何でもそうですが
「相手の立場になる」
ということは大切です。
「自分ばかりが得をする」
「相手はどうでもいい」
という考えは、何かしら感情トラブルになりますし、大きな問題になります。
それよりは
「自分も得をしたいから、相手にも良い物を渡してあげたい」
という気持ちの方が、WINWINの関係になります。
そうすると良い取引になりますし、引渡し後のトラブルも起きる可能性がかなりなくなります。

申し訳ないですが、我々は詐欺の様な手法とかしませんし、押し売りの様にして買主に高く買わせるような手法は出来ません。
そこまでして高く売りたい方でしたら、他の不動産会社探してくださいませ。
現場に長くいるのでそういう人が多い業界なのはよく知っています。
そのかわり責任はご自身で取って下さいませ。

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