不動産の調査(わかりやすく上司と新人風に)

不動産業で
「調査」
という言葉があります。
探偵の様に
「人間を調査して調べる」
ではなく笑
「不動産の物件を調査して調べる」
事を言います。

調査は不動産仲介にとって大事な「能力」です。
不動産営業からすると
「調査の数=契約数」
になることがほとんどです。
こればかりは業界長い人ほどよく知っているものになります。

新人の頃は何もわかりませんでした。
正直かなりきつかったですし、夜12時以降もパソコンに向かって
ひたすら調べた内容を入力して、翌朝上司に提出するとすごく怒られる笑。
懐かしいですけど、あの頃の苦労があり今は自分自身で全部出来るようにはなりました。

お客さんからは見えませんが不動産の調査は大変です。
ミスが絶対に出来ない仕事なんです。
興味ある方や不動産の知識を知りたい方もいるかと思うので、現場ではよくある
「不動産屋の上司と新人」
の関係で説明していきたいと思います。
実際の現場では怖い上司が多く、そのまま書くとかなり
「不動産業界がブラックな67の理由」
みたいになってしまうので、まあまあ優しい上司と何もわからない新人のような形で
わかりやすく書いてみようと思います。

◇新人が購入者から買い付けを貰った後

新人「お客さんから買い付け貰い金額まとまりました」
上司「そうか、わかった。じゃあ調査に行って来い」
新人「調査って何ですか」
上司「調査は契約の時に重要事項説明書売買契約書が必要になる。
その書類を埋めるのに調査が必要なんだ。
だからまず法務局、役所、水道局に行って来い」
新人「行って何をすればいいんですか?」
上司「まずは法務局に行って不動産の謄本公図測量図を取ってこい」
新人「取った後はどうすればいいんですか?」
上司「謄本や公図、測量図を取ると地番がわかるようになる。
不動産の取引に必要なのは地番がメインになる。
他に公図で土地の位置関係、謄本と地番があってるかもわかるしな」
新人「・・・・よく意味がわかりません」
上司「その気持ちはわかる。それは後で勉強しろ。その後は役所に行って
この重要事項説明書に書いてある内容を全部埋めてこい」
新人「・・・すみません・・・書いてある意味がわかんないです・・・」
上司「そこも後で勉強。わかんなければ役所の人間に聞け。
順番としてはこの10ページ前後を全部間違えないで埋めてこい」
新人「わかりました。・・・最初から見てるんですがこの「持分」って何ですか?」
上司「持分は私道ゴミ置き場があるときに何分の1など持っている時がある」
新人「土地の関する測量図、の地積測量図現況測量図確定測量図って何ですか?」
上司「説明すると長くなりすぎる。後で調べろ。他は」
新人「都市計画法・建築基準法に基づく制限の概要、って何ですか?」
上司「まず市街化区域市街化調整区域か、または未線引きかの確認。
他に計画道路があるか、その道路が事業化決定しているかどうか。
その後は用途地域を調べて、建ぺい率容積率道路斜線制限隣地斜線制限
北側斜線制限、日影規制、絶対高さを調べる。
その後は接道調べて、公道か私道かも調べてセットバックもしてるか確認して・・・」
新人「すみません、ちょっとわかんなくなりました。」
上司「これでも全然足りないぞ。とにかく絶対にミスをしないように全部役所の人間に
聞いてこい」
新人「わかりました・・・すみません他にも石綿仕様調査結果とか耐震診断とか書いてあるんですけど・・」
上司「そこは売主に聞くところ。新築の場合は大丈夫。古い物件は気を付けて調べる」
新人「自信ないけど頑張ります。役所で調べたらどうすればいいんですか?」
上司「次は水道局に行って上水と下水の配管図を取ってこい」
新人「何で必要なんですか?」
上司「水道管が隣地の家の下を通っていたらどうするんだ?」
新人「えっ・・・わかんないです・・・」
上司「取引終わった後にお客さんと隣地の人が水道管が原因で揉めたらお前はどうする気だ」
新人「えっ・・・いや・・・・その・・・え~と・・・」
上司「わかるか?全部を調べないと不動産屋の意味がないだろ。
売るのだけが仕事じゃなく、調査して調べてお客に今後のトラブルがおきないように
してあげるのが不動産屋のプロの仕事だ。わかったか?」
新人「・・・はい・・・わかりました」
上司「大変なのはわかるが絶対にミスをするな。役所や水道局行くときは嫌われても
いいからしつこくしつこく聞いてこい。
その方が後で問題起きるより絶対に良いから」
新人「わかりました・・・頑張ります」

ちょっとチャレンジして会話風の文章作ってみました笑。
自分が言われたことや、逆に自分が部下に教えるようなのをちょびちょび入れながら
書いてみました。

調査は正直大変です。
今でもややこしい物件の場合は難しいですし、役所に行くと新しい事例を見つけることも
多くあります。
不動産がややこしいのは
「一つとして同じ不動産はない」
からなんですね。
そこが大変でもあり、面白さでもあります。

調査をしてみるまでは何とも言えないことが多いです。
「査定だけしてくれ」
と言われることはありますが、本当に査定する場合は現地の確認、内見、上記のような
しっかりとした調査が必要です。
私の場合は片手間に出来る仕事ではありませんし、時間もかかります。
実際の査定金額を算出するのには本来は不動産の調査をしないとわからないんですね。

私達は土地、中古戸建、新築戸建、中古マンション、ワンルームマンション、木造アパート、
軽量鉄骨アパート、鉄骨造マンション、RCマンションを仲介して調査してきた人間です。
仮に「新築戸建」だけに特化する不動産屋の場合は他の物件を仲介することが出来ず、
不動産仲介としてのスキルを伸ばすことは出来ません。
「色んな物件をやって仲介としてのスキルを伸ばしたい」
という思いが現在の経験値に繋がっています。

不動産の購入、売却共に私達はしっかりと調査します。
このような気持ちがわかってもらえればと思い、書いてみました。

・他にも不動産用語を知りたい方は
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