土地(更地、古屋有)を売る時の流れをわかりやすく

2025年1月10日

以前に
「建売【中古戸建】を売る時の流れ(住宅ローン返済、売却する時のタイミング)※2020年までの建売は売りやすい」
「中古マンション(タワーマンション等)を売る時の流れをわかりやすく」
の記事を書きました。

中古戸建、中古マンションと書いてきたので内容一部重複しますが今回は
「土地(更地、古屋有)を売る時の流れ」
を出来るだけわかりやすく書いていきたいと思います。
(ちなみに当社の場合ですが割合で言うと土地の売却依頼が1番多いです)

土地(更地、古屋有)を売る時の流れ

土地を売却する際には更地のケースと古屋有のケースがあります

「土地」
と言う文字を書くとほとんどの方が
「更地」
を思い浮かべるかと思います。
実際の売買においては更地のケースの方が少なくほとんどの場合は古屋有(上物有)のケースがほとんどです。

更地の場合と古屋有の場合だと流れが多少異なります。
その説明はこれから書いていきます。

準備して頂きたい物

土地の売却の際にご準備いただくものは
「固定資産税の明細(送られてくる支払い書に金額書いてある)」
位で大丈夫です。
謄本や公図、地積測量図などは我々が法務局から取得するのでご準備いただかなくても問題ありません。

また土地の売却される方の多くのケースが
「相続」
で土地を取得された方がほとんどです。
登記上の所有者になったばかりかと思いますし土地の事はよくわからないかと思います。
(なので我々不動産屋が役所などに行って調査を行い物件を調べていきます)

更地の場合※「確定測量図(実測)交付が条件」となる事がほどんど

更地の場合は上物(中古戸建)がありません。
なのですぐ売却活動する事も可能ではあるのですが、土地の場合は購入者から契約の際に
「確定測量図(実測)交付が条件」
となる事がほどんどです。

どういった事かと言うと法務局で測量図を取得するとその測量図は
「地積測量図」
になります。
その地積測量図には土地家屋調査士が測量した日が書いてあるのですが数十年前に測量してるケースなどが多くあります。
当時と今だと測量の仕方も違い、今の時代の確定測量をすると土地の面積が変わる事がほとんどです。

このような説明を仮に土地を買う側のお客さんに伝えたとします。
「え、何千万も支払ってるのに土地の面積合ってるか合ってないのかもわからないんですか!!」
と不安と怒りになってしまいます。

なので確定測量をするんです。
確定測量する場合は土地家屋調査士に依頼します。
(こちらで手配する事も可能です)
すると土地家屋調査士が測量を始めます。
ただ測量だけならそんな時間かからないのですが、時間かかるのは
「公道(前面道路)との境界の確認」
「隣地境界の確認」
が凄い時間かかります。

公道の場合は土地家屋調査士が役所に申請して役所の人間と立ち会い、杭の場所を決めます。
大体1か月半から2か月くらいかかります。
そして1番大変なのは隣地との境界の確認です。
隣地の方が皆さんお住まいになっていてう良い方達でしたら境界の確認スムーズに行くのですが・・・・
空き家になっていて所有者がそこに住んでいなかったり、かなり変わった方の場合だとこの
「境界確認書」
にサインしてもらうまでにかなり時間かかります。

当社の場合ですと契約してから半年くらい引き渡し時期かかる事が多いです。
理由はこの
「境界確認書」
と後ほど書きますが
「前面道路が私道の場合の掘削の承諾書」
で時間かかる事が多いです。

難しい言葉多く出てきてすみません。
なんとなくでいいので
「そんな風になるんだ・・・」
と思って頂けたらと思います。
お会いした時には時間かけてしっかり説明致します。

なので
「更地だからすぐ売れるだろ」
とあまり思わないでいただいた方が無難です。
「公簿売買(謄本上の面積での売買、測量は行わない」
という方法もあるのですが、この方法取ると買いたたかれる割合高いのであまりおすすめしません。
↓参考
63、土地の「公簿売買」と「実測売買」の違い(土地売却する方は覚えておいてくださいませ)

ちなみにですが確定測量するのに大体40万~60万ぐらいかかるケースが多いです。
「先に支払ってもいい」
というお客さんですと売却活動する前に確定測量を終えてから売却活動される方もいらっしゃいます。
(先に確定測量しておくと契約から引き渡しまで1か月もかからなくなったりします)

後払いも可能です。
そのようなケースの場合は
「先に契約しておく、引き渡しまでの期間を4か月~6か月にする。
その間に確定測量をする。
支払いは決済時」
というパターンの可能です。
(このケース選ばれる方が多いです)

古屋有の土地の場合

古屋有の場合ですが当社の場合は基本的に
「中古戸建、土地として売却活動していく」
という方法を取る事が多いです。
(理由としては築20年以上の物件でも古屋としてほしい人も稀にいるケースがある。
そうすると土地より高く売れるケースがある)

詳しい説明は以前書いております。
ご興味あれば読んでみてください。

88、23区などの人気エリアで駅近くの古い中古戸建は解体しないで中古戸建として売却したほうが良いです

土地として売却が決まった場合ですが、ほぼ買主側の条件は
「確定測量図」
「解体後の引き渡し」
「契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)3か月~6か月」
となります。

引き渡し期間を3か月~6か月位に設定して確定測量と解体を行い引き渡しまでに更地にして引き渡す契約です。
(契約不適合責任で多いのは
「引き渡し後に買主側で地盤調査した際に地面の奥の方からガラ(コンクリートブロックやゴミ)などが出てくる」
というケースです。
ケースバイケースではありますがその際には数十万かかったりするので引き渡し終わってもお金全部使わないようにしておいてくださいませ)
↓参考
42、引き渡し後におけるリスク(瑕疵担保責任の有無、付帯設備表の内容)

また解体をする際に
「建物滅失登記」
も必要となります。
↓参考
建物滅失登記(解体証明書)

売却活動開始

当社にご依頼頂けたら媒介契約(売却の依頼の契約)を結びます。
販売する金額はお客さんのご希望に合うようにしてます。

結んだ後に一度土地の書類関係一式をお預かりさせて頂きます。
この書類を会社に持ち帰りアップロードやコピーなどした後にお返しします。

その後に図面作成します。
図面出来たら広告活動します。

我々も広告活動するのですが大手不動産会社のやり方とは違って他社の不動産会社にも広告してもらうようにしてます。
そうする事で広告の絶対数、他社からの案内数などが増えるようになり売主さんの売却金額が上がる、または条件が良くなるような手法を取っています。
(他の不動産会社に対して
「広告不可」
とすると他の会社はスーモ、ホームズ、アットホームなどのポータルサイト、自社HP、チラシ含めて一切広告できなくなります。
他社の営業が営業しにくくなりますし紹介しにくくなります。
大手不動産会社が広告不可にする事で他社の不動産会社に広告させないようにしてます。
そうする事で買主、売主双方から仲介手数料を取りやすい仕組み(両手取引)にしてます。
当社は逆に他の不動産会社にも紹介してもらってます。
そうする事でお客さんの不動産が高く売れる可能性上がります。
その代わり両手取引にならない事が多くなるので売り上げ減ります笑。
我々よりもお客さんの利益優先させる仕事のやり方してます)

申し込み(購入申込書)

申し込みが来たらお客さんにご連絡します。
ほぼと言っていいくらい値段交渉が入ります。

値段交渉の金額見て嫌でしたら嫌と言って頂いて全然問題ありません。
「満額じゃなきゃ嫌だ」
「この金額までならいい」
「引き渡しの時期とか融通利かせてくれるのならこの金額でもいい」
などの考え出てくるかと思います。
売主さん寄りなので売主さんが1番良い結果になるように精一杯やります。

契約

契約行う際は不動産会社にて行います。
(当社、または買主側の仲介の会社)

その際に
「物件状況確認書」
の記入があります。
これは非常に大事です。
素直に事実のまま書いてください。
(地面の軟弱の有無。
浸水の被害の有無。
などの本物件、または近隣の状況を知ってる事を書く書類になります)

買主の本審査の結果待ち(住宅ローンの返済の打ち合わせ)

契約が終わった後は少しお待ちください。
買主が住宅ローン借りる場合は
「本審査」
があります。
金融機関によるのですが1週間~3週間かかります。

待っていただく理由は
「ローン条項」
と言う特約があるためです。
事前審査が通っても本審査通らなければ買主は家を買えません。

買う事が確定できるのが
「本審査の結果後」
になります。
(現金購入の買主の場合はローン使わないので待つ必要なくなります)

買主の本審査が無事通ったら売主さんが住宅ローンの残債ある場合は銀行と打ち合わせになります。
決済日を伝え、その日に合わせて住宅ローンの残債の正式な金額がわかるようになります。
(残債がない方は銀行行く必要はありません)

引き渡し(決済)

引き渡しの際は買主指定の銀行で行う、または買主がネット銀行で住宅ローン組む場合は不動産会社で行います。
当日は
・身分証(免許証など)
・スマホ(口座の入金チェック)
・実印
そして家の鍵を含め
「自分が持っている不動産関連の書類」
をお持ちください。

司法書士からの説明が終わりお金が振り込まれます。
(振り込まれるのに少し時間かかります)

振り込まれたらスマホで口座確認してください。
金額が入っていれば無事取引終了です。
(スマホない方は通帳持参などでも可能です)

その後買主に物件に関する書類一式渡します。
そして引き渡しは終わりです。
(住宅ローンの残債ある方はその後銀行に行って最後の手続きがあります)

色々な土地の売却のケース

土地の売却の方法について書きました。
ただお客さんがお持ちの土地によって対応変わる事も多々あります。
以下レアなケース含めて過去に書いた記事を紹介する形で何個か書いていきます。
(リンク先の記事は納得不動産売却のHP内の記事です)

市街化区域で500㎡以上の広い土地の売却

↓参考
73、500㎡以上の大きい土地を売却する場合(開発行為が必要)
不動産会社(業者)に広い土地を売る方法

不動産買い取り業者の土地(古屋付き)を購入する条件
↓参考
不動産買い取り業者の土地(古屋付き)を購入する条件【更地、解体、測量】

海外住んでる方が持ってる不動産を売却するケース
↓参考
海外在住の方が日本の不動産を売却する場合

まとめ

大まかな流れではありますが土地を売却する流れについて書きました。
実際の現場ではもっと色々な事ありますしお客さんから様々な質問頂きます。
土地の場合は特に相続でお持ちの方も多くいらっしゃるので所有者さんが数人いらっしゃるケースも多くあります。
(ちゃんと皆さんにお会いして売却の流れなどしっかり説明しております)

質問多く出ると思います。
現場で関わってるのでよくわかりますが、色んな感情絡んでる事が多いのも土地の特徴です。
可能な限り売主さんのご意向に合わせたいと思いますし実際そういう風に今までやってきました。
その都度なんでも聞いて頂けたらと思います。
丁寧な説明、対応心がけています

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