海外在住の方が日本の不動産を売却する場合

2016年9月20日

海外にお仕事などで行かれ、人によって事情は違いますが
「日本で持ってる不動産を売らなくちゃいけないか・・・」
と思う方はいらっしゃいます。
先日海外在住の方の不動産売却が無事に終了致しました。
大まかな流れや、必要書類、銀行の流れなどを詳しく書いていこうと思います。

海外にお住まいで不動産売却を考えた場合に、流れとしては
・不動産業者を選び、媒介の契約を締結する

・買主が見つかったら契約立ち合い

引渡し(お金の振込、銀行との抵当権抹消)
が大まかな流れです。
あまり甘いこと言うのが嫌いなので、正直に書きますが
「かなり大変です」
先日のお客さんにも最初の段階で
「家を100%売る覚悟はご自身にありますか?」
と聞きました。
途中で辞められると私は一銭ももらう事が出来ません。
それは
「プロの仕事ではない」
と私は思っています。
先日のお客さんは強い意志と覚悟がございました。
そのような思いがあるとこちらも全力でやるしかありません笑。
最終的には非常に良い不動産売却になりました。

お気持ちは非常に大事です。
海外勤務の方は優秀な頭良い方が多いです。
まず理詰めでご自分の人生、家族、仕事、お金などについて突き詰めて下さい。
その上で
「売却するのが1番いい道だ」
となるようでしたら、売却に向けて頑張りましょう。
家はなくなりますが、その先には良い人生が待っていると思います。

売却を考えた場合に、どうしても日本に何回か帰ってきて頂かないといけません。
先日のお客様は合計3回帰国して頂きました。
本当にご苦労様でした・・・・

人によってケースは違うのですが、帰ってきて頂きたい理由がもちろんあります。
それは
・不動産業者との顔合わせ、売却する不動産を一緒に内見、媒介契約の締結
・不動産の売買契約、可能なら同じ日の立ち合い
・銀行との抵当権抹消の手続き(1回目)
・不動産の引き渡し、決済。銀行に抵当権抹消の書類の手続き(2回目)
が主な理由です。

不動産屋との打ち合わせはやはり必要です。
どのような不動産かもわかりませんし、鍵も必要です。
売主からしても担当者や会社を確認したいと思いますし、担当からしても売主さんがどういう人なのか、どういう希望なのか知りたいです。
一緒に内見すると不具合や、問題点、セールスポイントなどがわかります。
不動産会社の担当と売主がお互い納得出来たら不動産の売却を委託する媒介契約を結びます。
これを結ぶとスーモやホームズ、その他諸々のサイトに海外に住みながらも勝手に広告が始まり、購入者が検討して案内が入るようになります。

次は購入者が見つかると不動産の売買契約になります。
売買契約も出来たら帰国して頂いた方が無難です。
買主と売主が直接顔を合わせた方が後々のトラブルも少なくなりますし、契約が終わった後に、
「立ち合い」
をすることも出来ます。
※立ち合いとは買主、売主が不動産を一緒に内見し不具合などを確認する作業

もう一つありまして、契約、立ち合いが終わったら、銀行に行かなくてはいけない可能性が非常に高くなります。
(銀行でローンを借りていて、抵当権がついている場合)
ローンを返さないと、不動産は引き渡しが出来ません。
引き渡しが出来ないと違約金などの対象に乗る可能性が非常に高くなります。
ローンを返す場合は、決済日(引き渡し日)に一括返済するのが基本です。
その為には
・引渡しの日取りを決める
・銀行に行き書類を記載する
事が必要です。
この内容が銀行にもよるんですが、
「本人に来てください、書類の郵送などでは受け付けません」
の一点張りでした笑。
各銀行、各支店にもよって多少違うかとは思いますが、銀行から
「来てください」
と言われたら、もう海外だろうと帰国するしかありません。
この書類の内容は引き渡し日を決めて、日割りの金利を計算して、本部に提出する、
というものです。
概ね2週間前後かかります。
なので、
・不動産の売買契約
・立ち合い
・銀行との抵当権抹消手続き
は2回目の帰国にスケジュールと合わせて行うのが1番効率的です。
実際にやりましたが、1番難しかったのは
「100%買主が買う気をやめない」
という所でしたね。
買主が契約中にやめると手付金などは貰えますが、また全部やり直しです。
自分で言うのもなんですがホント頑張りました笑。

最後は決済日になります。
買主がローンを組む、または買主が指定した銀行で決済を行うのが基本です。
最近は銀行の口座をネットでも見れるようになりました。
買主から振り込まれた金額を着金確認して、金額が確認できたら決済は終了です。
そしてこの後ご自分がローンを借りている銀行に行くこともあります。
ローンを借りている銀行に行き、お金を一括返済すると抵当権抹消の書類がもらえます。
それを同席している司法書士に渡せば、売却は無事終了です。
(ローン借りている銀行に行かずに司法書士が行けば良いケースなどもあります)

簡単にですが、海外在住の方が不動産を売却する時の大まかな流れです。
時間もかかりますし、すべてがスムーズに行くわけではありません。
先日の売主さんにはホント頑張って頂きました。

それと海外在住の方は日本の不動産を売却する際に必要な書類があります。
必要な物は
・在留証明書
・サイン証明書
・戸籍の附票
・住民票(除票)

になります。

通常日本の不動産を売却する場合は住民票や印鑑証明、印鑑などが必要です。
海外にお住まいの方は日本から出国しており住民票には
「除票」
となっているかと思います。
なので皆さんはもう日本人ではないので印鑑必要ないんです笑。
海外お住まいなのでサイン社会の人間なんですね。
海外だとサイン社会で問題なく生活できるのですが、日本のルールだと印鑑や住民票が必要なんです。
なので海外お住まいの方は各国の日本大使館に行き、
印鑑の代わりの
「サイン証明書」
住民票の代わりの
「在留証明書」
が必要になります。

戸籍の附票が必要な理由は、お持ちの不動産から、海外の住所に引っ越した際に、お持ちの不動産の登記簿は日本の住所のままになっているかと思います。
戸籍の附票を取ると日本の不動産から海外の国に行ったつながりがわかるようになるので、法務局としても本人確認の為の証拠になります。

※サイン証明書に関しましては
「割り印タイプ」
のサイン証明が書必要な可能性が高いです。
これは司法書士が片面の文章作成します。
そこまで急ぎではありませんのでお会いした時にご説明します。

海外お住まいの方が日本の不動産を売却する際の手順を書いてみました。
もう一度書きますが、売主さんは結構大変です。
それと良い不動産担当を見つける事は非常に大事だと思います。
担当選び失敗するとほんときついと思います。
「自分が逆の立場で変な担当選んじゃったら怖いな・・・」
と仕事しながら思いました。

私の場合はなんだかんだで毎週国際電話でお電話してましたしね。
海外お住まいの方の方がなんか連絡喜んでくれるな~~~と率直に思いました。

海外在住で日本の不動産を売却される方は是非当社をご検討ください。
文章読んで気に入って頂けたら、是非お問い合わせくださいませ。

売却されている方はこちらもお読みください。

「お客さんから山ほど出てきた質問」

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