74、生産緑地の解除、相続について

以前
「生産緑地」
の相談を受けたことがあり、役所に行き色々と調べました。
生産緑地の土地をお持ちの方は傾向として
土地が500㎡以上
農地
・市街化区域内
・固定資産税の減免
などが当てはまっているかと思います。

相談内容は
「生産緑地を解除出来るのか?」
という質問に対してでした。
「基本出来ないはずです・・・でも役所に行く用事があるのでもう一度確認してきます」
と言い、役所に行って色々と突っ込んで話聞きました笑。
(エリアによって多少ルールが違う可能性があることだけご了承ください)

そのエリアの役所の担当者に色々突っ込んで聞いたのですが、結論としては
「今は出来ない」
という答えでした。
「解除する例外はあるのですか?」
と質問すると
「成見後見人が必要なくらいの重い病気になった時」
ぐらいが最終的な答えでした。

生産緑地法の改正により,1992年から
「生産緑地の指定」
が行われました。
2022年以降には生産緑地お持ちの方は再度
「今後どうするか?」
を考えなくてはいけません。

生産緑地にされてる方の傾向としては
「先祖代々持っていた土地を手放せない」
という方も多くいらっしゃいます。
ご相談いただいた方もそうでした。

不動産屋としてこんなこと思うのはいけないのですが
「そのまま持っていたほうがいいんだろうな・・・」
とは思いました。
お金よりも大事なことはあります。
人の思いやご家族の思いなどはお金では買えるものではありません。
そのかわり
「固定資産税」
を払う必要があったり、
「土地の手入れ」
が必要になったりします。

生産緑地をお持ちの方が亡くなった場合はどなたかが
「相続」
することになります。
相続された時点で生産緑地の減税は終わり、通常の固定資産税の金額の支払いに戻ります。
そのかわり
「売却」
することも出来るようになります。

ご相談受けるたびに思うんですが・・・
「よく考えてくださいませ」
が私の答えです。
ご両親やそのご両親が大事にしてきた土地でもあります。
「売りたくない」
「売れない」
「近所の目や親戚の目もある」
「思い入れがある」
そのような言葉を出すご両親の顔や声をご子息たちは見てきたはずです。

「難しいな・・・」
と思われると思います。
ただもう一度
「生産緑地」
の申請をすると、解除する期限が来るまで自由に売却できなくなります。
その間に税金の支払いや土地の手入れをするのはご自分です。

悩まれると思うんですね。
選択肢は3択になるのかな・・・と思います。
「生産緑地に再度申請する」
「自分で家を建てる」
「売却する」
この3択を考える方が多いと思います。

最終的なご判断は売主さんがしてくださいませ。
この3択のメリット、デメリットしては
・生産緑地の場合は土地をそのままに出来る、固定資産税も安くなる、その代わり解除する期限までは基本的に売れなくなる
・家を建てる場合は大きい土地の家を建てられる、ただ土地が広い分通常の固定資産税の支払いが来る
・売却すれば現金が入る、そのかわりその土地はもう戻らない

先ほども書きましたが、難しいと思うんです。
ただ決断しなくてはいけません。
所有した時点で固定資産税を支払わなくてはいけないので。
税金はいつまでも追っかけてきます。

もし
「色々考えたけどこの土地を売却しよう」
と思われたのでしたら、その際は当社の事も考えてくださいませ。
1つ2つ前の記事に書いていますが500㎡以上の土地の売却の場合は
「農地転用」

「開発行為」
が必要になります。
その辺のアドバイスや流れなどは丁寧にご説明いたしますし、しっかり調査します。

他には
「家を建てる」
のも良い事だと思うんですね。
ただ土地が広いので、全部の土地を使用するとその分の固定資産税が非常に高くなる・・・
なので
「土地の一部は自分で使用、その他の土地は売却しよう」
というのも良いのかな・・・と思います。
売主さんの合わせますが
「アパートやマンション建てるのだけはやめてくれ」
と言うご要望があれば、それは合わせられますよ。
(売却条件の中に
「アパートやマンションなどを建築希望の方はご遠慮ください」
などの条件をつけることも出来ます。
「近所は住宅の方が良い」
と思う方も多いですしね)

生産緑地ってデリケートな内容だと思うんです。
生産緑地の方は当時
「30年は売れなくなる」
と国から言われ、それでも売らなかった方達です。
(当時はバブルの頃なので、今の土地の値段よりも数倍値段が高かったりする時です。
それなのに売却しなかったのは・・・理由があるからなんですね)

そういう思いを組み込むのは大事ですが、現所有者は現実問題としてお金があるのとないのは大きな違いです。
なので
「ちゃんと感謝はしてる、でも申し訳ないが今の自分達にはお金があるほうが幸せに生きれる可能性が高い、だから許してね」
そういう風に思うのも人によっては必要なのかな・・・と思います。

ご判断はお任せします。
しっかりと悩んでくださいませ。
その上で売却することになった時は当社もご検討ください。
色々な思いをしっかり受け止めたうえで、丁寧にご対応いたします。

関連する記事