【第3回】不動産一括査定の無料の仕組み、からくり(不動産業者が支払う広告費、金額は?)

2024年1月12日

【第3回】
「不動産業における無料って色んな意味があって面白い」
と思う時があります。

当社はこのHP以外に
「ゼロさいたま」
というHPを運営しております。
新築一戸建て仲介手数料無料のHPです。

10年以上運営してますが
「仲介手数料無料」
という言葉は
「怪しい」
「うさんくさい」
「大丈夫なの?」
と最初思われるのが基本です。
そしてそういう風に思われるのは当然の事です。
「無料=何かある」
と思いますしね。
なのでHP内の充実度、検索順位を上位にするなどの対策を努力する事でお客さんに選んで頂ける努力をしています。

ただ長年やってて思うのは
「スーモやホームズ、アットホームなどの不動産ポータルサイト、不動産売却一括査定が無料で使えることに対しては皆さん疑問に思わないんだな」
と思う時があります。
先程書きました
「無料=何かある」
という感覚が消えるんです。

ブランド力が大きいのはもちろんあります。
「有名だから安心」
「CMやってるから大きな会社だ」
と思うのもわかります。
ただお客さんの立場では結果としてスーモやホームズ、アットホーム、不動産売却一括査定のサイトにお金を1円も支払ってない。
ここで疑問に思う人と思わない人の差が出ます。
(建売購入の場合ですと疑問に思う人がいらっしゃいます。
世の中の仕組みを考える力ある人です。
そういう方はゼロさいたまにお問い合わせ頂いてご購入して頂けたりします)

不動産業界の広告の仕組みとしては
「個人のお客さんからお金貰わないで不動産業やってる法人からお金貰うシステム」
になっています。

時々購入側のお客さんでスーモを褒められる方がいるのですが不動産業者の立場としてはなんの感情もありません。
我々不動産業者からするとスーモやホームズ、アットホーム、不動産売却一括査定のサイトは
「支払う側」
になります。
わかりやすく言うと
「我々不動産業者が客の立場」
なんです。

我々不動産屋はサイトが見られるだけではお金入りません。
問い合わせだけでもお金入りません。
案内だけでもお金入りません。
お金入るのは
「契約して引き渡しが終わった時」
になります。

なので不動産業者、不動団営業の本音としては
「成約になる人だけ関わりたい。
成約にならない人と話す時間は1円にもならない」
となるんです。
(不動産営業目線の詳しい話はまた後日書く予定です)

ここでミスマッチが生まれるんです。
「不動産屋はお金払う。
成約になる人だけ会いたい」
率直な不動産屋の希望です。
そして不動産一括査定の会社は
「集客だけ出来ればいい。
問い合わせが来た時点でお金が発生する。
不動産業者が売れようが売れまいがどっちでもいい」
となります。

実際の所ですが不動産一括査定の会社に支払う金額は問い合わせ1件につきほぼ
「10,000円(税別)」
または
「15,000円(税別)」
になります。

ほとんどの会社がこの金額です。
相場なんだと思います。

一つ例を挙げると個人の売却考えてるお客さんがあるアフィリエイトサイトクリックする。
(例、「ぼろ家が高く売れた、その理由は!」
のようなサイト)

そして不動産屋からすると
「どう考えても噓だろ・・・」
と思うような作り話のような体験記事。
(現場で関わると思いますが、お客さん満足すると担当の営業に感謝します。
長い付き合いですしね。
不動産会社でも不動産一括査定の会社でもなく担当した営業にお礼してもらえるようになります)

そしてクリック押すと不動産一括査定の会社のHPへ飛ぶ。
(この時点でアフィリエイトサイトから飛んでるのでお客さんが問い合わせたときにはアフィリエイト作ったHPにお金が発生する仕組み。
なので適当な事書けるんです)

「6社問い合わせがおすすめ」
と書いてる場合は売り上げが上がるからです。
先程書いたように1件で税込み表示にすると11,000円、または16,500円になります。

16,500円で計算した場合6社に問い合わせると16,500円×6=99,000円。
お客さんが6社に問い合わせる事で99,000円分のお金が動きます。

ただお客さんは無料です。
お金かかりません。

裏側ではこの問い合わせ時点で6社の不動産会社それぞれに
「16,500円の請求」
が発生します。
そして売れなくてもお金は支払わなくてはいけないんです。
(仮に成約にならずに
「こんなお金払えない」
不動産会社が言ったとしても
「そういう契約は出来ません」
と一括査定の会社から言われます)

不動産会社は16,500円の支払いが確定しました。
そして勘違いされてる方も多いかと思いますが
「現場の営業は不動産一括査定に書いてる記事なんか読んだことありません」
あれは現場の文章じゃないんです。
広告屋が自分たちの売り上げを上げるために書いてる文章です。

不動産屋が思うのは
「売却の依頼を何としてでも取る」
になります。
一括査定からの問い合わせ時点で他社との競争になるのはわかってます。
「丁寧にゆっくりやる」
と言う判断は出来ないんです。
丁寧にゆっくりやると他の会社に取られます。
だとすると
「どんな事してもすぐに売却の依頼取る」
という考えが生まれます。
なぜなら既に16,500円払ってます。
メール送る、査定書送るだけでは何の意味もありません。
そして売却の依頼取れなければただの赤字です。
不動産一括査定の会社に支払って終わる、

これが不動産業者、不動産営業の感覚です。
広告費を払ってるんです。
無料で査定書送るだけではお金になりません。
「ただ金額知りたいから査定書欲しい」
というだけではただの16,500円の費用かかる悪徳な迷惑メールです。

こういう話ってあまり出てないと思うんです。
なぜかというと
「不動産屋の仕事のメインは不動産業。
ネットで上位にあげるような手法はわからないしそんな時間もない」
というのが現実かと思います。
そして実際に検索の上の方に来てるのは
「不動産一括査定やってる会社」
または
「不動産一括査定へのアフィリエイト」
になるケースが多いです。

不動産一括査定関連の記事は現場の不動産屋の言葉はほぼ書いてないと思って頂いて良いと思います。
だいたい
「SEO記事専属ライター」
「現場経験のない不動産やってる風な人」
の記事ばかりです。
記事見るとすぐわかるんです。
「あ、こいつ現場経験ないな」
というのは。

無料には理由あります。
不動産一括査定の場合はお客さんは無料です。
不動産業者は問い合わせが来た時点でお金払う成果報酬型の支払いスタイルです。
不動産一括査定の会社は問い合わせが決定した時点で不動産会社にお金請求できるようになります。

不動産業って難しい業種だと思うんです。
金額が大きい分広告系のIT系の業種が参入してくる割合高い。
そしてIT会社は不動産屋ではない。
でもお客さんからすれば不動産やってる会社に見えなくもない。

今回は
「不動産一括査定の無料の仕組み、からくり(不動産業者が支払う広告費、金額は?)」
について書きました。
また時間ある時に記事書いていこうと思います。

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