旭化成建材の責任について
2015年10月17日
10月16日の夜の時点で旭化成建材の担当チームの責任という事がわかってきました。
マンション傾斜 データ取得ミスで転用「スイッチ忘れた。記録紙ぬれた
旭化成によると、工事担当者は聞き取り調査に対し、「プリンターのスイッチを押し忘れたり、記録紙が泥で汚れたり、雨でぬれたりして、きちんと記録できなかった」などと話し、データが適切に記録できていなかったことを認めた。
↑産経新聞から一部抜粋
傾いたマンション「うまくデータ取れず、転用した」
横浜市都筑区のマンションでは、数本の杭が固い地盤まで達しておらず、建物が傾いているのが見つかりました。建設時の地盤調査のデータは別の建物のものが転用されていました。杭打ちは、旭化成の子会社の旭化成建材が請け負っていました。旭化成などによりますと、現場の責任者は転用について、「うまくデータが取れず、他の棟のものを転用した」などと説明しているということです。記録を取るための機械が作動しなかった可能性があるということです。
↑テレビ朝日系(ANN)から一部抜粋
マンション傾斜問題 旭化成建材社長「偽装は70本のくいで」
神奈川・横浜市の大型マンションの施工不良問題で、16日夜、住民説明会に出席した旭化成建材の社長は、会見で、偽装は70本のくいで行われ、さらに、ミスを隠すために、意図的に行われた可能性も示唆した。
↑フジテレビ系(FNN)から一部抜粋
前回の
「パークシティlala横浜の傾き、三井不動産の対応など」
にも書きましたがやはり人災のようです。
こうなってくるとやはり1番責任があるのは旭化成建材であることは否めません。
ですが前回も書いたように今回はかなり特殊なケースであります。
まず
販売会社 三井不動産レジデンシャル
施工会社 三井住友建設
杭打ち施工 旭化成建材
と言う図式です。
販売(売主)は三井不動産レジデンシャルになります。
施工(建築)をしたのは三井住友建設。
杭打ち(地盤)をしたのは旭化成建材。
宅建業法上の瑕疵担保などの責任の場合は三井不動産レジデンシャルになります。
ですが今回の場合は築8年前後経過しているので、通常の宅建業法上の責任は終わっています。
住宅の品質確保の促進等に関する法律に照らし合わせると
「10年間の主力構造の保証」
によって売主である三井不動産レジデンシャルの責任になります。
ですが今回明確な違反をしたのは現在のところ旭化成建材・・・・
じゃあ
「旭化成建材に全責任を負わせばいいじゃないか」
と思うのが通常のところですが、今回のケースは特殊で
・ブランド維持
・損害賠償、補償のお金の分担
・社会問題
・親会社がどこも大きい
・会社同士の力関係(全部大手)
・親会社と子会社の微妙なバランス(杭打ちの子会社の旭化成建材が旭化成グループ)
など色んなことが積み込まれています。
ちょっとわかりやすくもし自分がマンションの売主だったという前提で
書いてみます。
マンションを建築するにはまず土地が必要です。
土地を探して購入してマンションを建てる計画を始めます。
(さらっと書きましたが土地を購入するのはひじょ~~~~~~~に大変です。
言うのは簡単ですが利益が出る良い場所の安い土地を買わなくてはいけないんです。
この土地の仕入れでほぼ利益が出るかでないかわかります)
その後にマンションを建築する施工会社と打ち合わせです。
売主である私は建物を建築するノウハウもないので、地盤調査から完成までを
一括で委託します。
(今回のケースで言うと三井不動産レジデンシャルが三井住友建設に委託※予想です)
依頼を受けた建築会社は自社に地盤調査や地盤改良、杭打ちなどを出来るノウハウが
ないので過去によく使っている杭打ち会社に委託します。
(今回のケースで言うと三井住友建設が旭化成建材に委託※予想です)
しばらくすると立派なマンションが出来て、主である私が販売します。
お客さんと直に話して売却するのは売主である私自身です。
その後無事に全部売却できました。
数年が経ち、あるマンションを購入してくれたお客さんから
「マンションが傾いているみたいなんだけど・・・」
との連絡を受けます。
売主である自分は顔が真っ青になりますが、調査して確認してみると、
なんと杭を打つべきところに杭を打っていないことが判明。
笑顔で購入してくれたお客さんたちが目の色変え、血相変えて
「どうなってんだ!」
「ふざけんな!」
と怒っています。
売主である私からすると謝るしかありません。
その後は私が施工会社と杭打ち会社に行きます、
「ふざけるな!責任はどうするんだ!」
怒りを遙かに超えた鬼のような形相になるでしょう。
ちょっとわかりやすく「もし自分がマンションの売主だったら」という設定で
書いてみました。
実はこのような問題になると売主、または施工会社、杭打ち会社などは
連鎖して倒産するケースがほとんどです。
ですが今回は三井、三井住友、旭化成という日本を代表する看板の会社が
揃っています。
三井などは
・三井不動産リアルティ(三井のリハウス)
・三井ホーム
・三井不動産住宅サービス
などの不動産仲介や注文住宅(ファインコート)、マンション管理などの会社もあります。
旭化成などは旭化成ホームズのヘーベルハウスなどは地震にも強い、など
の特徴を持っている企業です。
また外壁材のへーベルパワーボードも有名です。
(ふと気になりましたがヘーベルハウスの地盤調査、杭打つ会社はどこなんでしょうかね?)
3社とも会社としてのネームバリューもあり、今後のブランドイメージは
非常に大事です。
そしておそらく全4棟の【パークシティlala横浜】だけなら、入居者の損害賠償も
払った上で建て替えも可能ではあると思います。
ですが問題はその後、そして他の過去に施工したマンションの杭、地盤についてです。
現状だと今後どれくらいの被害が出るかはわかっていません。
そして何よりも企業である以上
「倒産」
または
「グループ企業への負の連鎖」
は絶対に避けたいと思っていると思います。
同じ不動産業に携わっているものとしてお客さんに対しては率直に
「良い不動産に住んでもらって幸せになって欲しい」
とほとんどの不動産業に携わっているものは思っています。
ですが今回のようなケースになってしまうと、入居者と会社との落としどころを
決めなくてはいけません。
三井不動産レジデンシャルの立場としては
「お客さんには本当に申し訳ないことした」
「なんとか納得してもらう回答にこぎつけたい」
「今後の三井のブランドイメージを出来る限り良いイメージに日本全国に発信したい」
「旭化成建材には責任は取ってもらう」
三井住友建設の立場としては
「お客さんには本当に申し訳ないことした」
「仕事をくれた三井不動産レジデンシャルにも申し訳ない」
「旭化成建材には責任は取ってもらう」
旭化成建材の立場としては
「お客さんには本当に本当に本当に申し訳ないことした」
「当時の杭打ちの担当は誰だ(怒)!!!!」
「三井不動産レジデンシャル、三井住友建設にも申し訳ない」
「旭化成グループ全社にも申し訳ない」
「責任は自分たちが負う。(出来る限りの範囲で)」
恐らくですが簡単に書くとこんな図式になるかと思います。
(実際はもっとドロドロしてると思います。)
3社ともですがまず第一としてはマンションの入居者への誠意、対応、補償は最優先です。
その上で社会問題になっているのでブランドイメージを損なわないようにする。
そして旭化成建材への責任を明確にする。
かなり長くなる問題であることは間違いありません。
今までの不動産関連の事件と大きく違うのはやはり
「3社とも大手で補償できる可能性がある。だがどこまで補償するのかはわからない」
と言うところですね。
長年不動産業に携わっていますが、大規模のマンションが傾くのは異例中の異例です。
2011年の時の地震でさえも築30~40年のマンション、団地なども私の知る限り
「傾いた」
などの話は一切聞きませんでした。
今後の不動産仲介するうえで中古マンションの売買するときには
「杭打ち会社」
の記載が必須になるかもしれませんね。
築10年未満の中古マンションでも売買の際は
「瑕疵担保免責」
にしたほうが価格少し下がりますが無難かもしれません。
(旭化成建材が3000棟のマンションの杭打ちしてるらしいですしね。
第2の旭化成建材が出る可能詩もあります。)
私自身もこのサイトに書いてありますが、マンションを売却した際には「瑕疵担保面積」で
売却しています。
不動産仲介仲間で実は1番気になっているのが
「パークシティlala横浜を中古で最近買った人」
についてです。
業界の慣習上、または大手不動産仲介の売買契約するときなどは
「瑕疵担保責任が2か月、または3か月付く」
んですね。
瑕疵担保責任の文面の一つに
「隠れた瑕疵が判明した場合、買い主は、売り主へ物件の修補や損害の賠償を求めることが出来る」
といった文面があります。
今回の場合だったら1か月前にパークシティlala横浜を中古マンションとして購入した。
1か月後に今回の傾き問題が起きる。
さてこの場合はどうなるのか?
実は不動産仲介の人間でも
「突然大規模なマンションが傾いた」
という事例を経験したことないんですね。
(業界それなりに長くいますが聞いたことないです。
私自身傾いた不動産売ったことありますが、かなり珍しいケースでした)
このような場合はどうなるのか?
瑕疵担保免責にしていればもう売主さんは関係ありません。
ですが瑕疵担保責任を付けていた場合なら・・・・・
このようなケースは実は4,5年前に一人で突然悩んだことがあり笑、
弁護士に相談に行ったんですよね。
ただ弁護士の解釈と不動産屋の解釈の仕方が全然違ったんです。
長くなるのでまたいつか時間あったら書くかもしれません。
色々と書いてみました。
毎回同じこと書きますが私個人の考え、意見です。
参考にしてください。
※パークシティlala横浜で検索するとある複数の不動産仲介会社のページから削除されてました。
これはどうなんでしょうかね・・・・
他のパークシティシリーズは載せてるんですけどね。
なんか
「問題ある物件と私たちは関係ありません」
みたいな感じがします。
この問題起きるまでは
「買うのも売るのも大手の私達にお任せください」
といつものように書いてあったんだと思いますけどね・・・・
売却の際は物件隠す、広告不可にして両手取引にする。
問題起きたらHPから物件を削除して
「物件の販売には私達は関わっていません」
みたいなね・・・・
こういう時こそ
「責任取ります。逃げません。」
と言えばカッコいいんですけどね・・・
色々難しいのはよ~~くわかりますが・・・
・・・・独り言です・・・
どこの事かは私にはわからないです笑。
「なかなか売れない」「人が見に来ない」
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