55、セットバック(前面道路が4メートルない、敷地後退)の土地の場合

ご自分の土地の前の前面道路を見て
「この道狭いな~~~」
と思う場合はほぼ
「セットバック」
が必要な土地です。

不動産屋は
「セットバック」
という事が多いのですが、他には
「42条2項の道路」
(略して「2項道路」と言うときあります)
「敷地後退」
などの呼び方があります。

セットバックが必要な理由としては
「道路の幅員が4メートルない」
が理由です。
厳密に言うと
「道路の中心線から2メートルの位置よりも奥に家を建てなくてはいけない」
という建築基準法のルールがあります。

多いのは
「人気のエリア」
です。
東京都で言うと
「山手通りの内側」
などは道路が狭く、建築する際にセットバックが必要な土地が多いです。

建築する際ははみ出ている場所を
「国に寄付」
するような形になります。
なのでその土地分の面積はマイナスになります。

「じゃあセットバックすれば問題なく相場に近い状態で売れるんですね」
と言われると
「一概にそうとは言えません」
が私の答えです。

この問題はおそらく私が生きている間には確実に解決しない問題だと思うんですが、仮に
・自分の土地を誰かに売却した
・前面道路の中心線から2メートル後退して買主が家を建てた

買主は法律に準じて建築しています。
買主が購入した自分の土地は問題ないですし、建物も建築基準法通りです。
ただそれは
「自分だけ」
の話なんです。

先ほど
「中心線から2メートル後退」
と書きました。
これは
「道路の中心から自分の土地まで2メートル後退する、そして道路の反対側の家も同じことをすれば合計4メートルになる」
という意味なんです。

ここがもうどうしようもないんですが、セットバックの義務は
「再建築した際に必要」
なんです。
言い換えると
・反対側の家が道路から1メートしか下がっていない
・そしてその家の所有者はは今後も住み続けるといっている
・再建築するまでこの道路の狭さは今後も変わんない
となるんです。

「周辺の家が全部再建築しない限り、4メートル道路になることはない」
という現実があります。

密集した住宅街をよく見ると新しい家はセットバックしていて、古い家はそのまんまになってることがあります。
大きい道路に出る際に、
・ちょうど大通り出る入り口の所にの家だけがセットバックしていない
・車が出ずらい
となることもよくあるんです。
その結果その奥にある家は
「車が入らない土地」
となるので価値が下がってしまいます。

「解決方法は?」
と昔考えて突き詰めましたが・・・
「100年、200年後だな」
という答えでした笑。
道路に面してる全ての土地が建て替えしない限り解決する方法はありません。

ただこういうエリアの場合は、この周辺の方や、密集地で育った方などはあまり気にしません。
山手通りの内側などでしたが、歩けば駅は近くにありますしね。
「駐車場がない家」
などのニーズも言い方変えるとあります。
「車は維持費がかかって嫌い」
と言う人もいますしね。

セットバックが必要な土地は、他の4メートル以上幅員がある道路に比べると価値は下がります。
とは言っても売れないわけではありません。
立地が良ければニーズは多くあります。
(23区内の徒歩2分のセットバック必要な物件を売却しましたが、すぐに買い手つきましたよ。)

「セットバックが必要な土地は対象の土地面積が少し少なくなるかもしれない」
とは覚えておいてくださいませ。

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