フラット35の不正融資(賃貸でマンション、家を貸すリスク)

2019年5月7日

ネットのニュース見てたら
「フラット35を悪用し不動産投資、「住む」偽り賃貸用に」
という記事があり読んでみました。

↓内容
元社員が関与した不正な融資の顧客は20代~30代前半の若者を中心に100人超。融資額は1人2千万~3千万円ほどで、計数十億円規模になる。不動産業者らがお金に困った若者らを、投資セミナーやネット上で勧誘したとみられる。機構によると、こうした不正が大規模に発覚した例はないという。同様な手口がほかの業者でもあれば、不正はさらに広がる。

元社員によると、利用客は年収300万円台以下の所得層が大半で、200万円前後の借金を抱える人も多かった。「借金を帳消しにして不動産も持てる」などと勧誘していた。利用客はマンションの賃貸収入でローンを返す。本来は投資用なのに「住む」と偽って融資を引き出す手口で、不動産業界では「なんちゃって」と呼ばれる。
(朝日新聞社)

まず最初に思ったのは
「なんちゃって、とは言わないな・・・」
ですね笑。
まあ言い方は人それぞれですしね。

この内容は以前にも
「オーナーチェンジ」
にも少し書いてありますが、
「住宅ローンを組んだ場合はその本人がその不動産に住むことが条件」
となっています。
自分が住まない場合は
「投資用」
という判断されるんですね。

私は住宅用のローンも不動産投資用のローン(プロパーローン、事業用ローン、と言ったりします)も両方やったことある人間です。
この2つを比べて最初に思うのは
「住宅ローンだと金利がかなり安い、そして多くの人がローン組みやすい」
「不動産投資用ローンだと金利が高い、そしてほとんどの人がローン組めない」
という事実です。

あまり皆さん興味ないかと思うのですが少し書くと、不動産投資用のマンションを販売したい会社は
「セミナー」
を開くことが多いです。
そこで不動産投資の説明や老後に必要なお金、減価償却、リスクなどの説明をしていきます。
その中で興味湧く人は全てではありません。
意外かもしれませんが実際に購入意欲が高い人は
「お金がない人」
のほうが意欲高いんです。

「お金があまりないから多少のリスク負ってもお金が欲しい」
と思うんですね。
不動産屋からするとそういう意欲ある人は大歓迎です。
なぜなら買ってくれるので。
ただ問題があります。
こういう人は大体がローン組めないんです。
「お金がない=収入も少ない=年収もそこまで高くない」
となることが多いです。
そして通常の不動産投資のローンを組む場合は、普通の銀行だと
「売買価格の2割を自己資金で入れてください」
と言われます。
3000万円の物件だと600万円。
諸経費など考えると900万円前後は自己資金必要です。
そうなると購入意欲あってもお金ない人はどうしようもありません。
「じゃ買えないですね・・・」
となってしまいます。
ただそうすると不動産会社の立場からすると
「あれだけの広告費をかけて人件費をかけて人を集めたのに一つも売れなければ赤字になって倒産してしまう」
という心理になるんです。
担当の営業も成績にならないので給料も上がりませんし、夜は上司からの罵倒が始まります笑。
↓これも読んでみてくださいませ。生々しいですよ笑
「不動産業界がブラックな67の理由」

あくまでの一つの流れですが、このようなケースになることは多いんです。
そしてよくない不動産屋は思いつくんですね。
「そうだ、住宅ローンで組んでしまえば金利も安くなるし、お金持っていない人でもローン組めるぞ」
と。

流れとしてはおそらくですが
「住宅ローンでマンション買いましょう、そしてそのマンションを賃貸にして家賃収入得ましょう」
「住宅ローンなら諸経費も借りれるのでお金なくても大丈夫です、契約書偽造して売買価格を高く金融機関に提出することでカードローンの返済も一気に出来ます」
こんな流れだと思うんですね。
お客に対してどこまで説明したのかは知りませんが・・・

そして今フラット35(住宅金融支援機構)から調査を受けているんだと思います。
不動産屋が基本的には悪いです。
でも実際に融資を受けてサインしているのは
「購入者」
になります。
関係ない第3者からみれば悪い事企んで実行したのは購入者であるお客なんです。

購入者が金融機関に融資を受けるときは
「金銭消費貸借契約」
を結びます。
そのどこかに
「違反したら一括返済してください」
という文言が入ってるんです。
今回のケースで言うと金融機関は
「住宅ローンとして融資したのにあなたは住んでいない、そして人に貸して家賃収入を得ている、虚偽の報告をしたので一括返済してください」
となるんです。

それとあまり知られていませんが、不動産を購入する際に
「登記費用」
がかかります。
住宅ローンで購入した場合は軽減税率があるので安くなるんです。
逆に
「投資用」
として購入する場合は軽減税率が受けられないので高くなります。
そこも
「虚偽の報告」
になるんですね。
法務局または税務署、悪質な場合は警察が絡んでくる内容になります。
悪いことしたんだから仕方ないんです。

今回の話題について色々書いてみました。
いつも書いてますが私はこんなことしてませんよ笑。
知ってるのは知ってます。
こういうのを知らないと相手側が悪の時に対応できなくなるんですね。
色んな知識を覚えることで自分のお客さんが将来トラブルにならないようにこっそりと裏で守ってるんです。

現在フラット35で融資受けていて、転勤などで家が空いたからと言って気軽に賃貸に貸したりしないでくださいね。
賃貸の会社の人間は賃貸専門なのでこのような売買に特化した情報は知りません。
一度貸してしまうと、賃貸契約は借りている人間の立場が強くなりすぐに出て行ってもらうことはなかなか難しくなります。
その上今回はこのように世の中に知られるニュースとなりました。
国土交通大臣が
「遺憾である」
と言ってる時は、今後チェックが厳しくなります。
可能性の一つですが、フラット35(住宅金融支援機構)が今後
「居住しているかの確認」
をする可能性もあります。
(現在フラット35を借りていて、そのお家に住んでいて毎月ローンをしっかり払っている方はなんの問題もありません。)

「知らない=犯罪者」
になる可能性があるのが不動産の取引です。
わからない場合でしたら勉強も必要だと思います。
そういう意欲ある方に読んでいただければ、と思いこのHPを作りました。

いつも思うんですが、直球で正々堂々と嘘つかずに誠実に不動産取引するのが1番トラブルが起こらない唯一の道だと思います。
色んな経験しましたがいつもそこにたどり着くんです。
悪いことしてまでお金儲けしたいと思いませんしね笑。

私たちの考え方に合いそうな方でしたら不動産売却する時は検討してくださいませ。

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