宅地建物取引士の資格は入社前に必要か?(新卒、中途、給料、求人)

2021年3月22日

「宅地建物取引士(宅建)の資格は入社前に必要か?」
と聞かれたら
「新卒は取っておいた方がいい」
「中途はいらないんじゃないの笑」
と言うのが自分の答え。
色々と理由を書いていきます。

仲介の場合大手の会社の営業はほぼ
「宅地建物取引士の資格持ってる」
と言う印象はある。
↓大手の説明
不動産仲介会社の種類(大手、フランチャイズ、地場の業者など)
話聞くと大体が
「入社前の大学在学中に資格取る」
または
「1年目に資格取る」
というのが基本的ルールみたい。
仕事するとわかるけど
「営業しながら資格の勉強するのはすさまじく辛い」
んです。
「きつい」
と思う。
可能なら時間ある学生生活の間に宅建の資格は取ってしまったほうが良いと思うよ。

中途の場合は
「いらないんじゃないの笑」
と書いた。
と言うのも
「営業続くかわかんないでしょ」
と思ってしまう。
不動産営業はきつい、つらい、厳しい、ブラック
にも書いたけど
「離職率が高い業界」
ではある。
なので
「せっかく宅建の資格取っても生かす機会がない」
となる事も多いんです。
とは言っても
「宅建の資格あるのとないのだとどっちがいいのか?」
と考えたら
「あるほうが良いに決まってる」
のも事実。
ただ会社から1番求められるのは
「売り上げ」
なんだよねこの業界。
契約取る方が大事。
そしてこの業界は
「宅建の資格持ってるから売れるという訳ではない」
のも事実。
1番大事なのは
「営業力」
になる。

自分の場合はかなり時間経過してから宅建の資格を取った。
それまでは
「宅建持っていない重説読めない営業」
を長年やっていた。
さすがに何年もやってると、調査も出来るようになるし、重説読もうと思えば読めるの。
でも資格持ってないから
「違反」
になる。
なので重説は読めない。

どうしても
「宅建持ってる営業」
に対してコンプレックスがあった。
初契約で全然重説の意味とかも説明できない営業がいる時がある。
でも
「宅地建物取引士」(当時は宅地建物取引主任者)
の資格は持ってる。
だから重説は読める。
自分の方が不動産知識は上だけど、お客さんの前だと何も発言できない。
「かっこわるい」
のよ。
契約の重説のタイミングの時は
「黙りこくる営業」
になってしまう。
最初の方は
「読んでくれるから助かるな」
と思ってたが、時間それなりに立つと
「・・・・・・悔しいな・・・」
と素直に思った。
ただ宅建持っていないことで力出る場面がある。
それは
「営業する時」
になる。
「宅建持ってる営業には負けたくない」
と思ってた。
何とも言えないパワーが出るんだよね。
そのパワーはうまく生かしてた。

宅建の資格取ると、このパワーはもうなくなる。
「自分は持ってるしな・・・」
という安堵感。
いまだに
「営業」
という面だけ見てら良かったのか良くなかったのかはわからないのも本音な所。
でも今は持ってるから全部自分で仕事できる立場。

こういう思いが今でもあるから中途の人は
「いらないんじゃないの?」
と思う部分も大きい。
宅建持ってなかったら
「売る」
以外存在価値なくなる。
そのパワーが大事なのは自分も経験上よくわかってる。

ある程度営業慣れてきて
「続けられそうだな」
と思ったら、資格取るのも良いと思う。
その時宅建の勉強するの大変だけどね笑。
↓昔書いた宅建の勉強した時の話
宅地建物取引士の勉強方法、一発合格

さっきも書いたけど
「宅建の資格あるのとないのだとどっちがいいのか?」
の2択の質問されたら
「あるほうがいい」
のが答え。
勉強好きな人とかなら宅建の勉強するの楽しいだろうし、中途で入社する時に履歴書に
「宅地建物取引士」
を書いてある方が採用される可能性は高くなるのは間違いない。

と言うのも宅建業法で
「事務所に5人に1人は宅地建物取引士がいなくてはいけない」
というルールがある。
(これを破ると役所の
「公報」
とかに載ってしまったり
「取引出来ない期間」
などのペナルティがあったりする)

仲介会社の立場からすれば
「宅建の資格持ってる人が多いに越したことはない」
のが素直な意見。
資格持ってる営業なら、他の営業や宅建持ってる事務の人の力を借りる事もなく全部自分で契約できる。
(宅建持ってないと社内で誰かにお願いしなくてはいけない。
仲悪いと職場とかだと大変だと思うよ笑。
「あいつの契約する重説読みたくない」
と社内の皆が思ったら誰も読んでくれない。
不動産営業は個人主義の集まりだけど意外と
「協調性」
は大事)

「宅建手当」
がある会社はほとんどだと思う。
この金額は
「会社による」
ちなみに自分がいた会社は月の手当てが
「2万円」
「3万円」
だった。
(自分は当時宅建持ってなかったから関係なかったけど笑)

「5000円」
とか
「1万円」
の場合もあると思う。
それ以外に
「宅建持ってると歩合率アップ」
とか。
求人の募集に書いてあるケース多いと思うので確認してみてくださいな。

そしてここが営業の面白い所。
宅建の手当てが月3万円とする。
年間だと36万円。
宅建持ってると
「年収36万アップ」
になる。
ただ不動産営業の場合36万円の歩合は頑張ればすぐに稼げる金額。
なので
「36万円の年収アップするために宅建の勉強するくらいならその時間を営業に使ったほうがいい」
となる人も多い。
(自分はそうだった)

不動産の仲介営業は
「安定した仕事」
ではありません。
固定給を求めて入ってくる人ってごく一部。
(時々いる。意外とタフな営業になる事が多い)

「歩合」
で稼いでる人がほとんど。
歩合を稼ぐのに
「宅建の資格必要か?」
と考えると、中途の場合は
「そこまで必要ない」
となるケースがほとんど。
必要なのは
「契約する力」
になる。
それが会社から求められているもの。

それと
「宅建の勉強は現場ではほぼ役に立たない」
事がほとんどです。
これは・・・仕方ないとは思う。
宅建の勉強すると
「民法」
「法令上の制限」
「宅建業法」
が大まかなジャンルだと思う。
自分の感覚だけど勉強した内容の
「5%いくかいかないか」
くらいなんだよね。
実際の現場で役に立つのは。
「不動産仲介のための資格」
ではなく
「不動産業に携わる人たちへの資格」
だから仕方ないとは思う。

仕方ないんだけど実際にお客さんに接しながら
「物件の調査」
をして重説、売契を打ち込んでいく・・・
これを何回も何回も繰り返さないと覚えれない仕事ではある。
そして
「自分が担当している」
というプレッシャーはすさまじいと思うよ。
「重み」
が違う。
宅建の参考書には書いてない。
「自分の説明ミス、入力ミ、知識の勘違い」

「訴えられる可能性」
が常にあるのがこの業界。

そのプレッシャーを乗り越えた上で
「不動産営業続けられそう」
と思ったらその時資格取るのでも遅くはないと思う。

営業の現場では
「売れてる営業>宅建持ってる売れてない営業」
となる事がほとんど。
まずは
「営業力」
を高めるのが大事。
営業力ないと契約にならない。
契約にならないと重説説明する機会がない。
そうすると
「宅建持ってる意味ない」
となる。
そういう状態で辞めていく営業はちらほら見てきました。

宅建の資格取得を否定している訳ではありません。
新卒は宅建取っておいた方がいい、なぜなら会社から求められてるし、仕事しながら取るのはきついから。
中途の場合は
「まずどこかの不動産会社に入社して自分が営業できるかどうか確認した方がいいんじゃないかな」
と思ってます。
そして
「続けれそう」
と思ったら、勉強して資格取ったほうがいい。

この業界は
「売る」
のが1番大事で会社から常に求められる業界です。
まずは
「営業としての力」
を身につけてくださいな。
そして余裕出てきたら
「宅建取ろうかな」
でも良いと思う。
(現場の知識がある上で宅建の勉強するほうが身につきやすいのもある)

頑張ってくださいな。

■他にも色んな不動産営業関連の記事書いてます。
興味ある方はこちらも読んでくださいな。

不動産営業の覚えることや実際の現場の話(新人、転職する人にもわかりやすく)

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